結婚、もしくは子どもが生まれた時
結婚して子どもが生まれると、同僚や友人との飲み会には行きづらくなるもの。
奥さんが専業主婦や産休・育休中で家で待っているとなると寂しがったりするので。
いや寂しがるだけならかわいいものだけど、怒っちゃって「自分だけ遊んでズルい!」「お金の無駄遣いするな」みたいなプレッシャーをかけられるケースも多いだろう。我が家みたいに。
また子どもが生まれると、奥さんが一人で赤ちゃんのお世話と家事の両方をこなさなくてはならないのでかなり負担になる。
そのため「自分だけ遊んでズルい!」「お金の無駄遣いするな」と相手から責められる。
子どもが5~6歳になると変化が
飲みにいけないって辛いよね。
しかし、しかしだ。
まだ子供がいなかったり、子どもが幼いパパは知らない世界なのでよく聞いてほしい。
不思議なことに子どもが成長するにつれて、こうした奥さんの態度に変化がみられるようになる。
子どもが5~6歳になって成長してくると、親から子への一方通行的なコミュニケーションから、会話のキャッチボールができるようになる。
子どもの方から話題を振ってきたり、ギャグを仕掛けてくるようになる。
そうなると夫婦二人でいなくても、子どもと母親だけでもけっこう楽しい時間が送れるようなる。
つまり夫がいなくてもさびしくない。
子どもが1人ではなく、2人、3人いたら、より騒がしくなり、より楽しくなり、より寂しくなくなる。
となると、どうなるか。
奥さんの態度が変わってくる。
旦那が家にいなくても、さびしくもないし、困ることもない。
いやむしろ旦那が飲みに行ってくれた方がきちんとした夕飯の用意も必要ない。
子どもと母親だけなら、酒のつまみ的な料理も必要ないし、パンやラーメンで簡単に済ませることだってできるんだから。
我が家では会社に出勤する前の朝食で「今日、オレ飲み会だから夜いないからね」と告げると、「よっしゃ!」と奥さんがこたえる。
飲み会に行きまくってやるぜ、と息巻くが…
もしこのブログを結婚したばかりの人が読んでいたら、
「よーし! そうなるんだ。じゃあ飲みにいっぱい行けるな」
なんて喜んじゃうかもしれない。
でも世の中、そううまくは運ばない。
いざ飲みに行ける態勢が整って「よーし、よーし!」となって周りを見てみると、あれれ…? そう飲み会がほとんどないんです。
周りもほとんど結婚して家庭モードに入っているので、若い時のように飲み会の誘いの数自体が少なくなっているのだ。
また年をとってきて飲みに行くこと自体がおっくうになったり、働き盛りの年齢だから「明朝の会議に影響するといけない」なんて真面目になっちゃって次の日に備えるようになる。
飲みたいのに飲み会がない。
とは言っても早い時間の帰宅についても、奥さん的には歓迎ムードでないので、なんだかまっすぐ帰りづらい。
そんなことでオヤジたちは、居場所がなくなる。追い詰められてしまう。
前置きが長くなったが、そんな時にオヤジの救いとなるが、行きつけの店なのだ。
行きつけの店では友だち(店主)が待っていてくれる
私自身、若い頃は行きつけの店というものが理解できなかった。
美味しいお店なんて世の中にはいくらでもあるのだから、特定の店だけをひいきにする理由なんてないだろうと。
たいてい世の中のオヤジの「行きつけの店」って狭苦しい店内に座り心地の悪い椅子と立てつけの悪いテーブル、そしてたいして冷えてもないビール出てくるというイメージだった。
そんなお店にわざわざ毎晩のように行くか~?と疑問だった。
でも今ならわかる。
「行きつけの店」の良さが。
世のオヤジにとって「行きつけの店」とは自分の居場所があるお店のことだ。
だから人気店じゃなくても良い。料理がめちゃくちゃ美味しい必要もない。「友だちのような店主」がいるだけでいいのだ。
「友だちのような店主」は毎日、お店を開けて待っていてくれる。しかも本当の友人のように好き勝手なことをいったり、酔っぱらってつぶれたりしない。
ニコニコとこちらの話を聞いてくれ、気を遣ってくれる。いつ行っても嫌な顔をしない。非常にスマートな関係だ。
私も「行きつけの店」の良さが40歳を過ぎてとうとうわかった。
通っていると常連客と仲良くなり、さらに居心地の良さは増していく。約束の必要のない飲み友だちだ。お店にいる時だけ仲良く飲める。
こうした人間関係を希薄だと批判する人もいるかもしれない。しかし何も濃厚な人間関係だけでなくてもいいし、お互いが程よい距離感で気持ちよく一日の終わりを酒とともに過ごすって悪いことではない。
おわかりいただけただろうか。
さて、そろそろ飲みに行く時間になったので、ここらで失礼します。