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ベストセラーから読み解く幸福になれる3つの条件とは

橘玲(たちばな・あきら)氏の『幸福の「資本」論』がAmazonでベストセラーとして売れていますね。
私も早速読んでみたのでレビューします。

本書では、幸せとは「金融資本」「人的資本」「社会資本」の3つ条件で決まると解説しています。

金融資本:お金や不動産などの財産
人的資本:仕事の能力
社会資本:家族や友人とのネットワーク

 

このうち、3つともすべて揃っている人は超リア充として幸せ認定されますが、2つだけでもそれなりにやっていけるということです。
ただし、もし1つだけしかないと、すぐに不幸に落ちてしまうリスクが高くなってしまう

たとえば、仕事の能力に優れた「人的資本」に恵まれていたとしても、万が一会社が倒産して職を失ってしまえば、人的資本はすぐさまゼロに等しくなってしまいます。

同様に年金暮らしの親に生活を支えられているニートの男性であれば、現在は社会資本のおかげで暮らせてはいるものの、頼みの綱の両親が亡くなってしまえば、後がありません。

そのため最低でも2つ、幸せになるには3つの条件を満たすことが必要です。ただし、現実には3条件すべてを兼ね備える超リア充な人はそれほどいないだろうと著者も述べています。

幸せを決める遺伝子

幸福かどうかは経済状態や人間関係に左右されるものの、人それぞれの感じ方に最も影響を受けます。
そのため同じような状況でも、人によっては幸せに感じたり、また一方では不幸に感じたりすることもあるでしょう。

よく聞きますよね。コップに半分の水が入っている場合に、ネガティブな人は「もう半分しかない」と感じますが、ポジティブな人は「まだ半分ある」と受け止めるという話を。
同じ状況でも感じ方が違うのです。

そういう意味で言うと、日本人はネガティブな思考の人が多いという研究結果が出ているようです。
本書の「PART3 幸福のための社会資本」では「うつは日本の風土病」として、「日本人は遺伝的に脳内のセロトニンが少ない」と紹介がされています。

これはどういう意味かと言うと、セロトニンという神経伝達物質の分泌量によって、性格的にポジティブかネガティブかが決まってしまうのです(ただし必ずしもそうではない)。

セロトニンを運搬する遺伝子には、S型とL型があります。L型の遺伝子はセロトニンを運搬する能力が高く、一方で、S型の遺伝子は運搬する能力が低い。

そして遺伝子が組み合わされて、以下のSS、SL、LLと3タイプに分かれます。

SS型:脳内のセロトニン発現量が少ない
SL型:脳内のセロトニン発現量がやや少ない
LL型:脳内のセロトニン発現量が多い

 

LL型の遺伝子を持つ人はポジティブな性格になりやすいし、SL型やSS型はネガティブな性格になりやすいということです。
米国人は、このLLタイプ(ポジティブ遺伝子)の持ち主が3分の1近くいるのですが、驚くことに日本人でLLタイプの遺伝子を持っている人は3%未満しかいない

米国人と日本人では、遺伝子レベルで決定的に性格が異なるわけです。

しかしこの研究結果をあまり深刻にとらえる必要はありません。
本書では上記の研究結果を前提として、SS型の遺伝子を持っているだけでうつになりやすいわけではないということを示し、著者はSS型でも幸せになれると提案します。

日本人の遺伝的特徴を理解したうえで、人生設計を立てることで、楽天的だとされる米国人よりももっと幸せになれるというのですが、その詳細については本書をお読みください。

橘玲は謎に包まれた人物

橘玲(たちばな・あきら)氏は私の好きな作家のひとりです。

ただし私にとっては、この方は作家ではなく、投資家というイメージが強いです。
とくに下記2冊は、お金や資産運用について、きれいごとではなく本質をついた文章で書かれており、多くの投資家に影響を与えています。

また下記書籍ほど、マネーロンダリングについて面白く書かれた本を私は知りません(期待値が上がるのであまり大げさには言いたくないのですが)。ホリエモンのライブドア事件やカシオ詐欺事件のお金の動きについて本書では徹底的に追跡しています。

この著者は売れっ子にも関わらず、謎に包まれた人物です。顔写真は公表していないし、名前も本名ではありません。
Wikipediaでは、「早稲田大学第一文学部卒業。元・宝島社の編集者」と記載されていますが、経済に対する知識がずば抜けていますし、元・編集者というよりは、現役の大学助教授や講師ではないかという印象を受けますが、実際のところどうなんでしょうね。知っている人がいたら教えてください。