週末5分間 英語クラブ byコツログ

世界のサッカーニュースを英語で学ぶブログです。毎週末更新します。たった5分間ですが内容の濃い英語学習にしましょう。

なぜ職場で「東大生は使えない」と言われてしまうのか

先日、大学時代(私大)の友人と久しぶりに飲みました。
その際、ひと通りお互いの仕事の近況を報告した後、彼の職場の話になりました。

彼が参加しているプロジェクトのメンバーに東大生がいるらしいのですが、その東大生が仕事ができない人だというのです。

「その東大生がさあ、仕事ができなくて周りに迷惑をかけているのよ」
「東大生って使えないって言われているけど、あれ本当だよ」

“仕事ができない”というのは、一体どういうことを指すのか友人に聞いてみました。
彼曰く、仕事ができない例として以下のようなことがあったとのこと。

・上司に頼まれていた仕事の締め切りが守れない
・チェックすべきメールの見逃しがちょくちょくある
・非効率でも前例踏襲主義で、改善提案ができない
・遅刻も頻繁にある

 

うーん、東大生でなくても、こういう人はどの職場にもいるものです。たしかにこういう人は「仕事ができる」という評価は得られないでしょう。

そもそも勤怠管理など当たり前のことをこなせていないのですから、批判されてもしょうがないですね。そして友人の職場のケースでは、それが「東大出身であった」ということで悪目立ちをしてしまっていたのです。

東大生は勉強はできるけど、社会では役に立たない?

友人は「東大生が仕事ができないのは、詰め込み型の日本教育の失敗だよ」とまで言っていましたが、本当に東大生は仕事ができないのでしょうか。

私も今回友人から話を聞く以前に「東大生は勉強はできるけど、社会に出たら役に立たない人間が多い」という話を聞いたことはありました。

しかし、早稲田大学や慶応大学出身の者が仕事ができて、東大生が仕事ができないというのは嘘くささを感じます。またこういった主張を裏付けるきちんとした調査、統計も見たことがありません。

日本の受験制度に問題があったとしても、それでも情報処理能力がトップレベルであるはずの東大生が仕事できない人たちの集団であるはずがありません。

それではなぜ「東大生は使えない」と言われてしまうか。これは「働き蜂の法則」で証明できると思います。

東大生の底辺2割が東大の印象を悪くしているのか

「働き蜂の法則」とは、働き蜂を観察してみると、すべての蜂が働いているわけではないという話です。

観察してみると、よく働く蜂が20%、普通に働く蜂が60%、働きが悪い蜂が20%の割合で集団を形成しているというのです。

そしてたとえ20%の良く働く蜂だけを集めたとしても、その中から普通に働く蜂、働きの悪い蜂が現れて、結局20%:60%:20%の構成に戻ったそうです

東大生もこれと同じです。東大生は1学年に3,000人もいますが、誰もが完全無欠な優秀な人間ではありません。そこには優秀な人間とそうでない人間が存在しています。

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東大生の底辺2割が悪目立ちする

東大生の就職先を調べてみると、その多くは中央省庁や金融機関、そしてトヨタ自動車や日立製作所などの超大手企業です。

www.todaishimbun.org

これらの就職先は、早慶や難関大学の学生からも大人気なので、いくら東大生だからといって顔パスで入れるというものではありません。就職試験で他の学生と比べた時に見劣りすれば落とされてしまうでしょう。

つまり、中央省庁や金融機関、超大手企業に就職する東大生は、東大生の中でも比較的優秀か、もしくは一般的なレベルに達している人たちです。

一方で、そこからあぶれた東大生は、その他の一般企業に就職することになります。これが東大生の底辺の2割の人たちです。

底辺の2割の人たちですから、そのままの状態では、早慶やMARCH出身の向上心あふれる人材には社会人として勝てないでしょう。

「東大生は使えない」はウソ

「東大生は使えない」と言われてしまうのに、もう1つ理由があります。

それは学歴にコンプレックスがあるような人ほど「東大生は使えない」と声高にののしることで、東大生が社会では役に立たないという印象が形成されてしまうことです。

しかし事実として低学歴の人が多い会社というのは、給与や福利厚生などの労働環境が相対的に悪い。そのため就職先としても不人気です。

そのためこうした会社に入社している東大出身の人材というのは、東大では下位2割に属していた人になります。つまり仕事ができなくても不思議ではないのです。

冒頭の友人が勤める企業も世間一般はもちろん、業界内でも有名な企業ではありません。

そうした企業における下位2割の東大出身者の仕事を見て、学歴コンプレックスがある人が騒ぐのです。

悲しいことにそう主張する人が勤める会社というのは、就職では不人気であることから、平均以上の東大生には相手にされない企業なのです。

反対に、東大生の上位2割は中央省庁や金融機関、トヨタ自動車などの超大手企業に勤めており、これらの組織ではエース級の活躍をしています。

以下の記事を見ると、いかに多くの企業で多数の東大生が出世しているかが分かります。

toyokeizai.net

これらの組織では、東大生以外にも難関大学出身者が多数いるはずですが、「東大生が使えない」などという話は聞こえてきません。

もちろん東大以外の大学出身者にも優秀な人とそうでない人が存在します。同様に「東大生は使えない」というわけでは決してないということですね。