少し前(2017/7/28)のニュースですけど、『キャリ婚』という婚活サイトが共働き志向の婚活男性を対象に「ネコ派」と「イヌ派」の年収を聞き取りしたら、約90万円の差が出たというニュースリリースを出していました。
アンケートの趣旨はよく分かりませんが、とにかく調べてみたら「イヌ好き」が「ネコ好き」を年収で90万円上回ったとのこと。
こういうアンケートがあると、「どのような属性の人に何人に聞いたの?」と疑問がわきます。
下記のように会員年齢の割合と人数(男性会員数:694名)は公表しているのですが、会員全員がこのアンケートに答えているのか、記事から不明である点がひっかかりますね。
とりあえず細かいことは置いておきましょう。
『キャリ婚』では、ネコ派とイヌ派で年収において90万円の差が出たことについて、以下のように考察しています。
<考察>マイルールで自由気ままなネコと、序列を重んじ、忠誠を尽くすイヌ。共働きを上手にこなしていくためには、ある程度の家庭内のルールが必要であり、家族というプロジェクトを遂行するために、「自分の役割」を果たせるスキルは仕事にも生きるということなのか。引き続き考察を続けていきたいと思う。
つまり、こういうことでしょうか。
②仕事のスキルがアップし、年収アップへ
うーん。
いやいや、論理が飛躍し過ぎでしょう。
イヌ派の方が年収が高いという話に持っていくにはあまりにも根拠が弱すぎます。
アンケートの回答者数が少ないことで、偏りの結果が出たのかもしれません。
700人程度ではなく1万人くらいに聞いたら、年収の差が埋まるかもしれません。
またそもそもイヌ派(イヌ好き)だからと言って、本人がイヌのような性格で、序列を重んじ、忠誠を尽くすタイプとは限りませんよね。
むしろネコのように自由気ままでわがままな性格の人ほど、ペットとして飼う場合には、イヌを選択するかもしれない。イヌの方が言うことを聞いてくれますから。
そうなると先ほどの
②仕事のスキルがアップし、年収アップへ
という論理は成り立たなくなり、前提から間違っていることになります。
犬好きは、ネコのような性格をしているので、序列を重んじることはないし、忠誠を尽くしませんから。
考察の一文の締めで「引き続き考察を続けていきたいと思う。」と記載されているけれど、考察を続けるだけ無駄な気がします。
長財布を使っても年収はアップしない
年収を扱った記事だと他にこういうのもよくあります。
・年収が高い人は長財布を選択する
・年収が高い人は海外旅行が好き
こういうのも、因果関係を逆にして捉えられている危険があります。
年収アップの近道だと考えて、長財布を購入したり、海外旅行をしてみようと考えるのは早計です。
因果関係の誤ったわかりやすい例を出してみましょう。
・アイスが売れるから、気温が上がる
これって誰が読んでもおかしいですよね。
アイスが売れたからって、気温が上がるわけではない。
・気温が上がったら(原因)、アイスが売れた(結果)
というのが正解です。
同様に、長財布を使っていたから年収が高くなったのではなくて、単に20~30代の若者よりも50~60代の世代の方が、平均年収が高いことのが原因かもしれません。
50~60代は長財布を好んで使っているイメージありますから。原因は「高年収」ではなく「高年齢」ということです。
そう考えると「長財布」というキーワードは、「インプラント」や「金の時計」など高年齢の方に当てはまるアイテムに置き換えることができます。
・年収が高い人は「インプラント」を選択している
・年収が高い人は「金の時計」が好き
年収アップを図るなら直接効果がある行動を
年収が高い人に海外旅行好きが多いというのも結果としてあるかもしれません。
年収が高い分、お金をレジャーに回せる余裕があることで、海外旅行に行けるようになり、旅行が趣味になったと考えた方が自然です。
いずれにせよ、たとえ長財布や海外旅行が年収アップに何らかの要因となっていたとしても、遠因に過ぎません。
年収を上げるには、もっと直接的に効果のある行動をすべきです。
目の前の仕事で結果を出して昇進するとか、転職活動をして年収アップを図るとか。
ただこうした行動って面倒でつい避けたがってしまうものです。
そして楽な解決方法を探してしまうのです。
トイレ掃除するとお金持ちになれると聞いたことありますが、トイレ掃除する暇があるなら、どうやってお金を稼ぐか必死で考えたほうがよほど結果が出るでしょう。