週末5分間 英語クラブ byコツログ

世界のサッカーニュースを英語で学ぶブログです。毎週末更新します。たった5分間ですが内容の濃い英語学習にしましょう。

噂のクロス取引でノーリスクで儲ける方法

クロス取引は、株式投資の取引手法の1つで、やり方によってはノーリスクで株主優待を得ることができる方法です。つなぎ取引とも呼ばれていますね。

お得なのは間違いないので、クロス取引が好きな人からすると、「なんで得するのにみんなやらないの?」という疑問さえ抱きます。

私もほぼ毎月、細々とですがクロス取引しています。ただし色々考慮すると、資産運用としてのオススメ度は星5つが最高だとすると、星3つ程度でしょうか。その理由については後ほど説明します。

まずはクロス取引の手法を簡潔に紹介し、その後「お得度」を検証していきます。

クロス取引の流れ

クロス取引の仕組みは、株式投資の個別株の注文で、同一銘柄、同数量の買い注文と売り注文を同時に発注し、約定させることで株価変動による影響をおさえ、損失をゼロにおさえる取引です(同時に利益も出ない)。

この取引を株主優待の権利付き最終日の前後に行うことで、ノーリスクで、株主優待をもらう権利だけを得ることできます

クロス取引の流れをざっと紹介します。

【クロス取引の手順】
① 事前に購入する優待を決めておく
② 事前に証券口座に資金を入れておく
③ 月末の権利付き最終売買日の前日19時以降から寄付までに該当銘柄の信用取引の売り注文を行う
④ ③の後、権利付き最終売買日の寄付までに該当銘柄の現物株の買い注文を行う
⑤ 権利付き最終日の営業時間後、15:30以降から翌日(権利落ち日)の寄り付きまでに決済(現渡)する

 

慣れるまではやや手間に感じますが、毎月月末の作業と、その手順は決まっているので、自分のカレンダーに作業予定を入れておき、粛々と手続きをします。

それとノーリスクにこだわるなら逆日歩が生じない「一般信用取引」がオススメです。逆日歩の説明はネットに溢れているのでここでは省きますが、思わぬコストが生じて、株主優待が高くつくリスクがあります。

2016年にはこんなことありましたね。

kabumatome.doorblog.jp

「制度信用取引」だとこの逆日歩が発生するリスクが生じます。そもそも株価変動のような予測不能なギャンブル性を排除するのがクロス取引のメリットなので、銘柄数こそ限られてしまいますが、私は「一般信用取引」でしか取引しないことに決めています

クロス取引を制する者は株主優待を制す

マネー雑誌やテレビ番組で株主優待をたくさん取得している個人投資家が特集されるのを時々見かけますよね。

私もマネー関連の書籍を担当していた時に、株主優待を年間200社以上から受けている個人投資家の方を取材したことがあります。その方は優待銘柄を長期保有もしていましたが、同時にクロス取引も積極的に行っていました

クロス取引だと購入した数日後には資金が戻ってくるので、毎月優待を購入することができます。限られた資金の中で株主優待をたくさん取得するにはクロス取引はとても有効な手段になります。

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隠れてクロス取引を行う個人投資家たち

ただし、株主優待で有名な個人投資家の中にはクロス取引していることを隠している人もいます。これはなぜなのでしょうか。

実は株主優待を目的としたクロス取引については、一部でたびたび批判されているからです

批判の内容としては「最初から株主優待の権利を得るためだけにクロス取引を行うのは投資家としてのモラルに反する。株式投資の本来の目的である企業の応援につながっていない」というものです。

たしかに正論のように聞こえます。こうした批判を恐れて、こっそりとクロス取引を繰り返す投資家がいるのです。

企業と投資家はお互い様の関係

ただ私はクロス取引に対してそこまで批判を受ける理由はないと考えています。

クロス取引は、その手順を自社のホームページでていねいに説明している証券会社が複数あるように、ルール上、何の問題もないことが確認されています。

そのうえ、そもそも株主優待の内容は企業側でコントロールできます。例えば「1年以上の株主にのみ、株主優待を提供します」というように長期保有の株主にメリットのある優待を提供している会社もあります。

また私は長期保有でも株式銘柄を所有していますが、株主優待にはしばしば変更が発生します。しかも傾向として変更の内容は改悪の方が多い。

突然「クオカードの提供を3000円分から1000円分に変更します」という変更だったり、景気が悪くなったことであっさりと株主優待自体を廃止する企業もありました

これは優待目的で購入した株主に対して裏切りともとれる行為です。ただし株主の方もそういう可能性があることを知った上で、購入しているので、嘆きはしつつも、批判できません。嫌なら株式市場でいつでも売ることができるのです。

企業と投資家は、大航海時代に東インド会社が株式を発行した時から、お互いがメリットを感じた時にだけ結びつくという関係なのです。

クロス取引は手間がかかる割には儲からない

そしてそもそもクロス取引は、批判に値するほど「おいしい取引」ではありません。投下資金に対して「めちゃくちゃお得な株主優待」なんてほとんど存在しません。

そこそこ手間がかかる上に証券会社への手数料もしっかり生じます。投資金額に対する優待の価値(優待からもたらされる実質利益)を計算した優待利回りでみても、平均1~2%でしょう

また私はSBI証券で取引していますが、逆日歩が生じない「一般信用取引」の場合、売建受注枠の在庫に限りがあります。人気の銘柄は「権利付き最終売買日」の前日の時点で在庫がなくなってしまうことも多く、そもそも取引できないことも多いのです。

それだったらインデックス投資に資金をつっこんで、寝かしておいた方が、よほど儲かります。手間もかからず、効率的です。いくらノーリスクとはいえ、数多くの金融商品と比べても、クロス取引はそこまで優先して資金を投下するほどのメリットはありません。

なぜ私がクロス取引をしているのか

私の場合、200万円だけクロス取引用に資金をSBI証券の口座に置いています。
社債やインデックス投資に投資した方が、楽に儲かる可能性もありますが、すぐに動かせる資金も必要です。

歴史的な低金利が続く現代では、資産運用を行う上では、とにかく銀行の普通口座にお金を放置しておいてはいけません。まったくお金が殖えていきませんから。

ただし生活するうえで自由に動かせる現金がないというのも少し不安があります。事故か病気かわかりませんが、ある程度まとまったお金が必要になる事態もあるかもしれません。

そうなると、すぐに自由に動かせるものの、銀行よりは利回りの良い金融商品が求められます。

金利が少し高めの流動性資金の運用として新生銀行 の「2週間満期預金」があります。マネー雑誌でもたまに特集されているので知っている方も多いかもしれません。
この「2週間満期預金」を利用する選択肢もありますが、それでも2017年6月現在で年利0.0398%(税引後)ですから、300万円預け入れても2週間後に47円にしかならない

www.shinseibank.com

それならば優待の方が断然利回りは良いです。ということで、私は証券口座に200万円だけ置いて、毎月お小遣い的な運用としてクロス取引をしています。クロス取引であれば数日後には資金が戻ってくるので、流動性は「2週間満期預金」以上に高いです。

また利回りは低くても、株主優待の品ものが忘れた頃に自宅に届けられるという体験が気に入っています。

社債やインデックス投資は利益が出ても、証券口座の数字上でしか反映されず面白みに欠けます。その点、クロス取引であれば、優待に加えて、その企業の決算報告書を確認する機会にもなるので、勉強にもなります(書類で送られてくると資源のムダも同時に感じますが)。

さて、クロス取引の説明としては以上になります。
このブログでは、今後個別の株主優待についても写真付きでレポートしていきますので、参考にしていただけたら幸いです。