単刀直入だが、お金を貯めるには以下の2つの方法しかない。
・支出を減らす
これは何も極論をぶっているわけではない。
本当にこの通りなのだ。
ただし収入を増やすというのはそう簡単ではない。
会社員であれば、歩合制であれば別だが、固定中の場合は給料が急増することはまずない。
最近では、勤続給や年齢給を廃止している企業も多いし、頑張って平社員から管理職へ出世してみたところで、「残業代がついていた分、まだ平社員の方が給料が多かった……」なんてオチもある(これは笑い事ではない)。
となると、現実的にお金を貯めるには、支出を減らすしかない。
支出を減らすというのは、つまり「節約」することなのだが、節約であれば誰にでも実践できる。
ただし、日々の生活で、「特売の日しか卵は買わないようにしよう」とか、「1円でも安いガソリンスタンドへ行くようにしよう」なんて頑張っていたら、精神的にものすごく疲れるし、どこかで緊張の糸が切れて「節約や~めた!」なんて放り出しかねない。
そうなると結局、お金が貯まらずにサラサラと時間だけが流れていくことになる。
効率のよい節約を実践する3つのルール
このように意外と続けるのが難しい節約をストレスなく、かつ効果的に行うために我が家で実践しているのが、下記の3つのルールだ。
さくっと順番に見ていこう。
1. 1万円以下の買い物では節約はしない
まず、我が家では1万円を超える買い物については、夫婦で相談してから購入するようにしている。
大きな出費だと、家電やクルマの購入、旅行などになるが、こうした大きな買い物で無駄な出費を省くことができれば、効果は大きい。
例えば4000万円のマイホームを購入するとしよう。
この総額であれば、住宅メーカーに200万円程度の値引きを引き出すことは可能だ。
夕飯の買い物で、卵1パックを100円安く買うような努力も必要かもしれないが、額が大きいと効果が違う。
200万円の値引きに成功すれば、卵の値引き2万パック分の効果がある。
2,000,000円(家の値引き)÷100円(卵の値引き)=20,000(パック)
マイホームの購入時に値段交渉するのは、その時1回だけで良いが、卵の値引き機会を2万回探したり、待つのは相当面倒だ。そもそも2万回も卵を購入する必要はないもないだろう。
つまり、大きな値引きに成功すれば、小さな値引きの何百倍、何千倍の効果が期待できるのだ。
もう1つ例を出そう。
海外旅行で、同じ飛行機で同じホテルというプランでも、GWや正月などに行くとなるとバカ高い。しかし4月や9月の閑散期であれば、半額以下で済ませられてしまう。
出発の時期が異なるだけで、数十万のレベルで価格が変わってくるのだから、職場の上司や同僚、そして取引先に少々の迷惑をかけてでも、閑散期に有休を取得して旅行に行った方が絶対にお得である。
このように、日々の生活で10円、100円の節約をしてもそれほど効果はないので、我が家では1万円以下の節約は気にしない。その一方で、1万円以上になると本腰を入れて節約に取り組むようにしている。
2. 固定費は極限まで削減する
効率の良い節約に欠かせないのが、固定費の削減だ。
固定費というのは毎月固定で発生する支出なので、ここで節約できれば効果は毎月続くことなる。
節約できる固定費としての代表的なものは、以下のようなものがある。
・電気、ガス、水道代
・インターネット代
・携帯電話代
・固定電話代
・新聞代
・住宅ローン
上記項目はすべて「価格が安くなっても品質が変わらない」という性質のものだ。
たとえば電気や水道代などは安いプランに変えても、電気が暗くなるとか、水道の水が濁ってしまう事態にはならない。価格が変わってもサービスの品質が落ちることはないのだ。
同様にインターネットは最安レベルのプロバイダーを、携帯電話は格安SIM業者を選ぶと良い。
こうした固定費の削減は最初にプランを検討したり、業者を選ぶのは面倒だが、一度やってしまえば、あとは何もしなくても寝ているだけで毎月節約ができる。
また固定電話や新聞なんて、なくても生活に支障はないだろう。
携帯電話やネットで十分事が足りる。
今どき固定電話には勧誘や迷惑電話しかかかってこないし、節約を抜きにしても持たない方がメリットが多い。
新聞の情報はインターネットで工夫すればほとんど賄える。たとえばネット証券に無料で口座を開くだけで、日経新聞のネット版が読み放題のサービスだってあるのだから、こちらを活用すればよい。
私は新しいモノ好きなので消費も多いが、固定費は極力削減している。スマートフォンの有料アプリも購入することもあるが、月賦課金形式のものは一つも利用していない。
気付いたら毎月の生活コストが高くなってしまう事態を恐れているからだ。
3. 高額消費はリセールバリューを考慮する
最後に紹介するのが、「高額消費はリセールバリューを考慮する」というもの。
リセールバリューとは一度購入したものを販売する際の再販価値のことだ。
つまり、どれだけ中古で高く売れるかを考える。
私がおススメするのが、マイホームやクルマだ。
生涯で最も高い買い物であるマイホームは、将来のことを考えて、購入時にリセールバリューを考慮しておくと良い。
もちろん「一生ここに住むんだ!」と固く決意するなら良いが、案外人生は先のことはわからない。
転勤や転職、子どもの進学やいじめの問題、近隣住民とのトラブルなど、避けたくても避けられない問題が発生する可能性だってある。
その時のためにマンションや戸建て住宅を分譲で購入する際には、いざという時のために売れる物件を選んでおいた方が良い。
10年、20年と時間が経つと、建物の価値はほとんどなくなってしまうが、土地の値段はほとんど変わらない。
そのため都心からの距離、最寄り駅からの距離、病院や大きなスーパーが近くあるかなど、住環境にはこだわっておいた方が良い。
注文住宅でこだわりたい気持ちもわかるが、自分だけのこだわりは往々にして、新築時にはコスト高になり、中古で売る際にネックになる。そういう意味では信頼のおける住宅メーカーの建売りが無難だ。
家と同様にクルマもリセールバリューが重要だ。一つのクルマを乗り続けるのもそれはそれで素晴らしいが、家族が増えたりすると、買い換えの必要も生じる。
新車では同じカテゴリで同価格帯のクルマも、中古市場では、メーカーや車種、カラーやグレード、オプションなどでかなり変わってくる。
こうしたことを考慮しておくと、中古として売り出すときに30万、40万円と大きな差になってかえってくるのでバカにできない。
レアではあるが、ポルシェの一部の車種のように人気があれば、10年後も新車同様の価格で売れるものもある。
また一部のマニアに熱狂的な支持を受ける車種(日産GT-R)なども形式にはよるが10年後、20年後も新車の半額以上で売れることがある。
一方、洋服やバッグなどは、中古ショップへ持っていくとはした金にしかならない。ブランド品であれば、それなりの額で買い取ってもらえるが、家やクルマと比べると、少額なので効果としてはたいしたことない。
節約と同時に貯蓄計画も立てておく
以上が、ストレスがなく効率的な節約方法だ。
常に節約しているとストレスが溜まるし、夫婦げんかの原因にもなるので避けた方が良いだろう。
今日紹介したような方法で大きく節約していると、日々の生活で10円、100円単位の節約をしなくても気にはならない。
節約と同時に、年間の貯蓄計画を決めておき、年1回確認しておくと計画的にお金が貯まっていくし、なお安心だ。
ぜひご検討を。